延長チューブ・三方活栓・コネクタ

接続部の漏れを認めたときの確認事項

医療用チューブやコネクタの漏れを認めたとき、場所・製品情報・使用状況をどう整理するかを解説します。電子添文の注意事項とPMDAの報告様式に沿い、観察事実と原因の推測を分けて確認します。

接続面、硬質部材、チューブとの接合部という観察場所を整理した生成概念図

まず結論

接続部の漏れは、場所、両側の製品、使用状況、患者への影響を分けて確認します。ぬれていることだけで緩みや破損などの原因を決めつけず、対象製品の電子添文と施設の異常時対応手順を優先します。すべての漏れを締め直しで解決できるとは限りません。

  • 場所どの部位で何を認めたか
  • 製品両側の販売名・品番・ロット等
  • 状況併用機器・薬剤と発見時の経過
  • 安全患者対応を優先し担当者へ共有
01

漏れの場所と、観察した事実を分ける

「接続部から漏れている」という情報だけでは、どの部位で何が起きているかを共有しにくいことがあります。接続面の周辺、硬い部材の表面、チューブと部材の接合部など、見えている場所を具体的に整理します。図は、その区別を助ける概念例です。

接続面、硬質部材、チューブとの接合部という観察場所を整理した生成概念図
漏れの場所を整理するための生成概念図です。実製品の構造・故障原因・寸法・操作手順を示すものではありません。図の液滴から原因や使用可否は判断できません。

ぬれ、液滴、目に見える亀裂や外れといった観察事実と、「緩みが原因だろう」という推測は分けます。原因を確かめるために力を加えたり、分解・再接続したりすることは、この記事の確認項目には含みません。確認できない箇所や不明な経過は、不明のまま区別して伝えます。

ルアー接続の名称や固定方式を整理するには、ルアーコネクタの基本と確認項目もあわせて確認できます。

02

製品・状況・経過をひとまとまりにする

PMDAの医療機器安全性情報報告書には、製品の識別情報、不具合と健康被害、発生までの経過、併用機器・医薬品などの欄があります。下表は、その項目を手掛かりにした情報整理例です。正式な報告書や院内手順の代わりではなく、すべてが判明するまで連絡を待つための表でもありません。PMDAの報告様式(新しいタブ)

画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。

観察事実と製品・使用状況の整理例
区分整理する内容
漏れの場所・状態どの部位にぬれや液滴を認めたか。亀裂・破損など、見えた事実と未確認事項を分ける。
製品の識別接続する両側の販売名、製造販売業者、品番、ロット・製造番号等。包装と対象製品を対応させる。
使用状況相手機器、併用薬剤、使用目的、分かっている使用条件。適合性が未確認ならその旨も分ける。
時刻・経過使用開始、異常の発見、その後の対応など、確認できる時点と経過。推定時刻は確定時刻と区別する。
患者への影響担当者が確認した状態と対応の経過。機器の不具合と健康被害の有無を同一視しない。
現品・資料現品、包装、参照した添文の情報や、製造販売業者への連絡・現品提供状況を、施設の手順に沿って整理する。

確認表を埋めることより、患者対応と必要な連絡を優先します。患者情報を扱う場合は施設の規程に従い、不特定多数が閲覧できる場所に写真や識別情報を掲載しないようにします。

03

「増し締め」で一律に解決しない

シュアプラグAD延長チューブの電子添文では、過度な締め付け、部材への傷、接合部への無理な負荷などについて注意が示されています。薬液・材質・品種によっては、ひび割れや漏れ等の注意もあります。これは当該製品の記載であり、すべての接続部の原因を説明するものではありません。メーカー電子添文(新しいタブ)

厚生労働省の2003年の通知も、特定の薬剤成分とポリカーボネート製の医療用具を併用する際の問題を扱っています。この通知は背景資料であり、現在の全製品に使える適合表ではありません。実際には、機器と薬剤の双方の最新資料で、材質・濃度・接触時間・使用条件など、該当する注意を照合します。厚生労働省通知(新しいタブ)

接続形状が合うことと、薬剤・圧力・使用目的まで適合することは別の確認です。本記事は締め付けの力や回数、漏れの許容量、使用を再開できる条件を一律に定めません。不明な条件は、外観や試用から補わず、対象製品の製造販売業者へ照会します。

シリンジ側と相手機器側の適合情報を照合するには、シリンジと接続機器の適合確認もあわせて確認できます。

用途や接続先の取り違えを防ぐための確認は、医療用チューブの誤接続を防ぐための基礎もあわせて確認できます。

04

実際の医療現場では、安全確保と情報の引継ぎを分けない

以下は公的資料等に基づく一般的な確認観点であり、実在施設での症例・診療経験・院内手順を紹介するものではありません。患者ごとの対応や使用継続の可否は、担当者が施設の手順と使用中の製品の資料に沿って判断します。

引継ぎでは、「何を認めたか」「どの製品を使っていたか」「どこまで確認・対応したか」を区別すると、未確認の情報を事実として伝えることを避けられます。包装の照合や資料の確認は、患者への対応を遅らせない範囲で行います。現品の取扱い・保管・提供についても、感染対策と施設の規程、製造販売業者からの案内を確認します。

未開封の医療機器包装と確認票を照合する場面の生成イメージ
包装情報の照合を表す生成イメージです。実在施設・患者・製品・院内手順の写真ではなく、漏れへの処置を示しません。描かれた包装や確認票は製品識別に使用できません。

PMDAは、保健衛生上の危害の発生・拡大防止のために必要と判断した事例について、因果関係が必ずしも明確でなくても医薬関係者から報告するよう案内しています。院内の安全管理担当者等への共有と、PMDAの最新の報告案内(新しいタブ)を確認します。この記事の表を、個別事例の報告要否の判断基準として使うものではありません。

製品資料はPMDAの医療機器情報検索(新しいタブ)等で確認できます。関連する記事は延長チューブ・接続部の安全確認の一覧にまとめています。

05

接続部の漏れについてよくある疑問

漏れを見つけたら、強く締め直せばよいですか?

一律に締め直せばよいとは判断できません。過度な締め付けが破損につながる製品もあります。使用中の異常は担当の医療従事者へ速やかに共有し、対象製品の電子添文と施設の対応手順に従います。患者さんや付き添いの方が自分で接続部を操作するための記事ではありません。

接続部がぬれていれば、緩みが原因ですか?

ぬれや漏れの位置だけでは原因を確定できません。接続面、硬質部材、チューブとの接合部など、観察した場所と状態を記録し、製品情報や使用状況と分けて整理します。

照会するときは、何を伝えますか?

販売名・品番・ロット等、相手機器や併用薬剤、発見時刻と経過、漏れの場所、患者への影響として確認できた事実を整理します。患者対応を遅らせず、個人情報は施設の規程に沿って取り扱います。

原因がはっきりしないとPMDAには報告できませんか?

PMDAは、医薬関係者が保健衛生上の危害の発生・拡大防止のために必要と判断した場合、因果関係が必ずしも明確でなくても報告するよう案内しています。院内の報告経路とPMDAの最新案内を確認してください。

更新履歴:2026年10月18日、接続部の漏れを認めた際の観察・情報整理と資料の確認事項を公開。

2026年10月19日、誤接続を防ぐための基礎への文脈リンクを追加。

根拠資料

参照した電子添文・安全情報・報告様式

2026年10月18日に公開資料を確認しました。製品固有の注意を他製品へ一律に当てはめず、使用時は対象製品の最新資料を確認してください。資料確認日:。

  1. シュアプラグAD延長チューブ 電子添文テルモ株式会社|2025年6月改訂・第7版のメーカー公開版。接続・負荷・破損・漏れに関する当該製品の注意を参照。TEXIA製品の仕様ではない(新しいタブで開きます)
  2. 医薬品とポリカーボネート製の医療用具の併用に関する自主点検について厚生労働省(PMDA掲載)|2003年5月26日付通知。薬剤と材質・使用条件の照合が必要となった背景資料。現在の全製品の適合表としては使用しない(新しいタブで開きます)
  3. 医療機器安全性情報報告書(医薬関係者用)PMDA|PMDAの現行様式ダウンロードページから2026年10月18日に確認。製品識別、併用、経過、不具合と健康被害、現品提供等の項目を参照(新しいタブで開きます)
  4. 医薬関係者からの報告PMDA|医薬品・医療機器等安全性情報報告制度の案内。最新の報告方法・対象は公式案内を確認(新しいタブで開きます)
  5. 医療機器 添付文書等情報検索PMDA|販売名・製造販売業者に対応する電子添文の確認窓口(新しいタブで開きます)
医療監修者

倉田 照久