まず結論
医療用チューブは、形や色だけで接続先を判断しません。用途・製品の識別表示・接続規格を資料で確かめることと、患者側からラインをたどって実際の接続先を照合することを組み合わせます。誤接続防止規格への対応だけで、すべての取り違えを防げるとは限りません。
- 用途何のためのラインか
- 識別表示・販売名・品番を照合
- 規格対象製品の正式資料で確認
- 接続先ライン全体をたどって照合
「つながる形」と「正しい接続先」は別の確認
輸液、経腸栄養、呼吸に関わる機器など、医療現場では異なる目的のチューブが使われます。誤接続とは、意図した用途・経路とは違う相手につないでしまうことです。接続部が近くにある、似た形をしている、同じ色に見えるという情報だけでは、そのラインの役割は確定できません。
確認するのは、目の前の接続部だけではなく、何につながり、何のために使用しているラインかという対応です。機器の識別と、実際のラインの照合を分けて考えると、資料上の用途と現場の接続先を取り違えずに確認できます。

色は製品を区別する手掛かりになる場合がありますが、適合性の証明にはなりません。例えばJMSは、ISO 80369-3の経腸栄養関連コネクタ製品について、規格による色の指定はないと説明しています。この例から、すべての製品で特定の色が同じ用途を示すとは考えないことが重要です。メーカーの説明(新しいタブ)
接続部の名称とルアー接続の基本は、ルアーコネクタの基本と確認項目もあわせて確認できます。
規格による対策と、現場での照合を組み合わせる
PMDAは、異なる用途間での誤接続を防ぐため、ISO(IEC)80369シリーズに基づくコネクタの国内導入を分野ごとに進めてきた経緯を案内しています。接続形状の設計で誤接続のリスクを減らす対策ですが、製品ごとの対応規格と適用範囲を確認する必要があります。PMDAの導入案内(新しいタブ)
「新規格だからすべての接続口を取り違えない」「規格番号が同じならどんな条件でも使える」とは判断しません。規格の確認は、使用目的・製品の組合せ・接続先の確認を省略する理由にはなりません。
新旧規格が異なるため接続できない組合せもあります。2026年10月19日のPMDA掲載情報では、経腸栄養分野の旧規格製品の出荷期限は当面設けられていません。全分野・全施設で切替えが完了したとは扱わず、手元の製品を確認します。必要な変換コネクタについても、形の合う部品を自己判断で追加せず、対応する組合せと取扱いを製造販売業者の資料で確かめます。
用途・表示・規格・接続先を照合する
次の表は、PMDA等の案内をもとに確認する情報を整理したものです。特定製品の接続手順や、すべての条件を網羅する適合表ではありません。未確認の項目は外観から補わず、対象製品の電子添文・取扱説明書と施設の担当者に確認します。
画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。
| 確認する軸 | 照合する情報 | これだけでは判断しない |
|---|---|---|
| 使用目的 | 何のためのラインか。対象製品の使用目的と、実際の用途が対応しているか。 | 置いてある場所や隣の機器 |
| 製品の識別 | 販売名、製造販売業者、品番、用途や接続口の表示。包装と現品の対応。 | 色、見慣れた外観 |
| 接続規格・組合せ | 双方の資料に記載された規格、相手機器、制限事項。新旧規格の違い。 | 形が合いそう、以前つながった |
| 実際の接続先 | 患者側からラインをたどり、接続元と経路が意図したものかを照合。 | 手元の接続部だけの確認 |
製品の切替え時は、使用する人だけでなく、購入・保管・引継ぎに関わる担当者にも情報を共有します。PMDAは、対象製品のリスト、責任者の明確化、周知、接続できない製品の混在を防ぐ保管方法などを案内しています。具体的な運用は施設の管理体制に合わせて定めます。
実際の医療現場では、ラインをたどって用途と接続先を照合する
以下は公的資料等に基づく一般的な確認観点です。実在施設での症例・診療経験・院内手順を紹介するものではありません。個別患者の処置や投与経路・機器の選択は、担当の医療従事者が判断します。
複数のラインがある場合は、ひとつの接続部を見て確認が終わったと考えず、それぞれの用途とつながりを照合します。厚生労働省が掲載する過去の取組資料には、複数ルートを一本ずつ確認し、点滴ラインの側管から投与する際に患者側からたどるという観点が示されています。本記事はその確認観点に限って参照し、当該ページ全体を現在の標準手順として推奨するものではありません。厚生労働省掲載資料(新しいタブ)
FDAの医療従事者向け案内でも、新しい機器への接続・交換前に患者側から接続元までチューブをたどること、患者の移動時に情報を共有することが挙げられています。引継ぎでは、どの用途のラインか、どの製品・規格を使っているか、未確認の点は何かを分けて伝えます。日本での実施方法は、対象製品の資料と施設の手順に従います。FDAの一般的対策(新しいタブ)

接続部に漏れを認めた場合の観察事項と情報整理は、接続部の漏れを認めたときの確認事項もあわせて確認できます。
製品資料はPMDAの医療機器情報検索(新しいタブ)等で確認できます。関連する内容は延長チューブ・接続部の安全確認の一覧にまとめています。
医療用チューブの誤接続についてよくある疑問
接続部の色が同じなら、同じ用途と判断できますか?
色だけでは用途や適合性を判断できません。例えばJMSは、ISO 80369-3の経腸栄養関連コネクタ製品には色の指定がないと説明しています。販売名・品番、用途の表示、対象製品の電子添文等を照合します。
誤接続防止規格に対応していれば、ラインの確認は不要ですか?
不要にはなりません。規格による対策と、患者側からラインをたどって接続先を確かめる確認は別の役割があります。全製品・全接続口の取り違えを防ぐ保証としては扱いません。
新しい製品が接続できないときは、変換部品を追加してよいですか?
接続できない理由を確かめず、形の合う部品を足す判断はしません。新旧規格や使用目的を照合し、変換コネクタの必要性・対応する組合せ・取扱いを製造販売業者の正式資料と施設の担当者に確認します。
患者や家族が、外れたチューブを戻してもよいですか?
自己判断でつなぎ直さず、担当の医療従事者に連絡してください。この記事は患者や家族向けの接続・再接続手順ではありません。
更新履歴:2026年10月20日、医療用チューブの用途・接続規格・表示と接続先を照合する基礎を公開。
参照した公的安全情報・メーカー資料
2026年10月19日に公開資料を確認しました。歴史的な資料は参照範囲を限定し、実際の使用では対象製品の最新の電子添文と施設の手順を優先してください。資料確認日:。
- 誤接続防止コネクタの国内導入についてPMDA|ISO(IEC)80369シリーズの段階的導入、新旧規格の混在・在庫管理・周知に関する現行案内。経腸栄養の旧規格製品の出荷期限は当面設けられていない旨を確認(新しいタブで開きます)
- ISO 80369-3 経腸栄養分野の小口径コネクタの変更について:よくあるご質問株式会社ジェイ・エム・エス|新規格製品の色の指定に関する回答を参照。他社製品・TEXIA製品の配色や適合性を示すものではない(新しいタブで開きます)
- 医療安全に関する取組事例・マニュアル:注射厚生労働省|過去の掲載資料のうち、複数ルートを一本ずつ確認し、側管からの投与時に患者側からたどるという確認観点のみを参照。ページ全体を現在の標準手順として推奨しない(新しいタブで開きます)
- Tips for Health Care Providers to Reduce Medical Device Misconnections米国FDA|機器の識別、引継ぎ、患者側から接続元までの確認、患者・家族が医療従事者へ助けを求めるという一般的対策の補足。日本の制度や施設手順を置き換えない(新しいタブで開きます)
- 医療機器 添付文書等情報検索PMDA|使用する製品に対応した電子添文を確認するための入口(新しいタブで開きます)

