安全・規制・更新情報

医療機器情報サイトが守る広告表現の基礎

医療機器の情報発信で、承認・認証・届出、性能比較、医師の監修表示をどう読み分けるか。厚生労働省等の原資料に基づき、表現例と根拠の照合、医療現場で製品紹介を読む観点を整理します。

製品を特定、手続きと範囲、表現と根拠、全体を点検の4段階を示す生成概念図

まず結論

医療機器の説明では、対象製品の正式資料に合う名称・用途・性能を伝え、承認・認証・届出を区別し、効果や安全性を保証する表現を避けます。情報記事や医師監修という表示だけで広告規制の対象外にはなりません。例えば、Class Iの製造販売届出を『PMDA承認済み』と書くことや、一条件の試験結果を『どの条件でも優れる』と広げることは、根拠と表現が一致しない例です。

  • 手続き届出と承認を区別
  • 性能対象と条件を保つ
  • 監修製品保証に転用しない
  • 全体見出し・図・注記も照合
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情報記事でも、3つの要件とページ全体を確認する

厚生労働省が案内する広告該当性の通知では、購入意欲を高める意図が明確であること、特定の医薬品等の商品名が分かること、一般の人が認知できる状態であることの3要件を、いずれも満たす場合を広告としています。ウェブ上の説明も対象です。広告該当性の通知(新しいタブ)

例えば、名称を出さない基礎解説と、特定製品の性能を強調して購入先へ案内するページでは、確認すべき表示と導線が異なります。「情報提供」「解説記事」という見出しだけで、後者を広告の対象外にはできません。

インターネット広告のQ&Aは、トップページに製品名がなくても別ページで3要件を満たす場合や、ログインを求める場合についても説明しています。紹介サイトの誘導も個別に判断されます。文章だけを切り出さず、製品画像、ボタン、リンク先、発信主体を合わせて読みます。Q2・3・5(PDF・新しいタブ)

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承認・認証・届出を、用途や性能の説明と対応させる

薬機法第66条は、名称、効能・効果、性能などに関する虚偽・誇大な広告を禁じています。第68条は、承認や認証を要する対象品目について、それを得る前の広告を禁じる規定です。「まだ販売していない」という状況だけで両者をまとめず、その品目に必要な手続きを確認します。第66条・第68条(新しいタブ)

一般医療機器(Class I)の製造販売ではPMDAへの届出が必要です。届出は承認審査とは異なるため、届出番号を承認番号と呼んだり、届出を「PMDAが効果を承認した」と説明したりしません。製造販売届(新しいタブ)届出の取扱い(新しいタブ)

承認・認証を要する製品の効能・効果・性能は、その承認等の範囲を超えて表現できません。承認等を要しない製品でも、医学・薬学上認められる範囲を超える表現や、不正確な材料・構造の説明が許されるわけではありません。適正広告基準 第4の1・3(PDF・新しいタブ)

TEXIAで準備している汎用注射筒、自然落下式針なし輸液セット、輸液用延長チューブのClass I 3品目は、現時点で製造販売届出に向けた手続き進行中です。届出完了と正式資料の照合前に、正式販売名・届出番号・仕様・価格・発売日や販売開始を案内するものではありません。

手続きの違いと、一般的名称・販売名の読み分けは、承認・認証・届出の違い、一般的名称と販売名の違いもあわせて確認できます。

製品を特定、手続きと範囲、表現と根拠、全体を点検の4段階を示す生成概念図
表現と根拠を照合する観点を整理した生成概念図です。行政機関の公式書式や適法性を判定する図ではありません。各項目の具体例は本文の対照表で説明します。
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表現例と根拠を照合する:どこが一致していないか

次の表は、読み違いを説明するための仮の表現例です。実在する製品の広告を引用したものでも、そのまま使える広告文のひな形でもありません。単語を置き換えるだけで掲載可能になるとは判断せず、資料と表示全体を点検します。

画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。

仮の表現例、問題となる読み替え、照合する資料
仮の表現例根拠とのずれ照合・修正の観点
届出品を「PMDA承認済み」と紹介製造販売届出を、品目の承認と読み替えている。対象製品の正式資料で手続きの種類と完了を確認。未確認なら完了を前提にしない。
「すべての接続機器に対応」特定の組合せについての資料から、未検証の組合せまで互換性を広げている。対象品番、接続相手、使用条件、電子添文の併用制限を対応させる。
「他製品より常に高性能」比較対象や測定条件を示さず、一つの指標を性能全体へ広げている。原試験の対象・指標・方法・条件と一致する範囲を確認。根拠がなければ主張を除く。
「医師監修だから絶対に安全」説明内容への監修を、製品の安全性の保証にしている。監修が関わる記事内容と製品の説明を区別し、保証を示す表現を除く。
「DEHPフリーなので、どの薬液にも使える」材料の不使用表示から、薬液との適合性を推定している。表示の対象部位と、薬液・機器双方の使用条件を別々に確認する。

根拠は、名称・性能・安全性に関する適正広告基準と、比較表示の一般原則です。表の照合方法は、それらを記事の確認に落とし込んだ観点です。材料の表示と適合性の違いは、ラテックス・DEHPに関する表示も参照してください。

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比較は条件ごとに、監修は関与した内容ごとに読む

消費者庁は比較広告について、主張の客観的な実証、実証された数値・事実の正確な引用、公正な比較方法を示しています。これは景品表示法上の一般的な考え方であり、医療機器の広告に必要な薬機法上の確認を置き換えません。比較広告の考え方(新しいタブ)

例えば「流量が大きい」という説明なら、どの製品同士を、どの液体・圧力などの条件で比較したかを追える必要があります。条件が異なる数値を並べて順位を付けたり、一条件の値を臨床での結果や製品全体の優越性に置き換えたりしません。試験結果を出せない場合に、もっともらしい数値を補うこともできません。

医師名・所属・監修という表示も、何について関与したかが分かる形にします。第66条第2項は医師等による効果・性能の保証と誤解される広告を扱い、適正広告基準は安全性の保証や医薬関係者等の推せんにも制限を設けています。記事の監修者表示を、製品の推せんや安全保証の見出しに転用しないことが基本です。

説明本文が慎重でも、画像に「絶対安全」と大きく書けば、その表示を含めた確認が必要です。小さな注記だけで強い印象を打ち消せると考えず、タイトル、図表、本文、注記の意味が一致するかを見直します。全体構成・文脈を考慮する解説(PDF・新しいタブ)

監修表示に加えて、公開日・更新日と確認した範囲を読み分けるには、訂正・更新履歴の読み方もあわせて確認できます。

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実際の医療現場では、製品紹介と使用条件を突き合わせる

医療機器の採用や資料作成に関わる際は、紹介文の利点と、実際に使用する条件を分けて確認します。以下は公的資料に基づく一般的な照合の例であり、特定施設の経験・院内手順を示すものではありません。

  1. 対象を固定する:紹介ページの販売名・品番と、包装、電子添文、メーカーの正式資料の対象を合わせる。同じシリーズの別品番の説明を混ぜない。
  2. 一つの主張を原資料へ戻す:例えば「この機器と接続できる」という説明を、対象品番の使用方法、併用条件、注意事項に対応させる。規格名だけからすべての組合せへ広げない。
  3. 差を質問にする:対象や条件が不明なら「どの品番・組合せで確認した説明か」「根拠資料のどの箇所か」を製造販売業者へ照会する。回答の範囲も記録する。
  4. 掲載面を通して読む:本文を直した後に、見出し、比較表、画像内文字、監修表示にも同じ主張が残っていないか確認する。

この作業は資料と説明の一致を確かめるもので、個別患者への機器選定や使用可否を決めるものではありません。適法性に疑義が残る広告は、薬事担当者や所管行政機関への確認を経て扱います。

包装と画面上の資料を照合する手元の生成イメージ
資料照合を表す生成イメージです。実在の施設・製品・院内手順の写真ではありません。描かれた表示やバーコードは、実製品の確認には使用できません。

使用目的・注意事項と接続条件を確認するには、電子添文の読み方、ルアーコネクタの基本と確認項目もあわせて確認できます。

関連するテーマは安全・規制・更新情報:広告表現・訂正履歴から確認できます。

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広告表現についてよくある疑問

情報記事と書けば、広告規制の対象外になりますか?

名称だけでは決まりません。購入を促す意図、特定製品の識別、一般の人が認知できる状態という3要件と、ページ全体・リンク先への誘導などを確認します。ログインを設けるだけでも、広告に当たらなくなるとは限りません。

Class Iの届出を『PMDA承認済み』と書いてよいですか?

製造販売届出と承認は別の手続きです。一般医療機器の届出を、PMDAによる承認審査や承認取得と言い換えません。届出の完了も確認していない段階では、完了を前提にした説明をしないでください。

医師監修の表示があれば、製品の安全性を強く表現できますか?

できません。記事の監修と製品の効果・性能・安全性の保証を分けます。医師が保証したと誤解される表現や、医薬関係者の推せん等に関する広告基準にも注意が必要です。

性能の比較に出典を付ければ十分ですか?

出典だけでは不十分です。対象製品、比較条件、測定方法、結果が適用される範囲を合わせて確認します。一条件の結果をすべての用途や製品全体の優越性へ広げず、薬機法上の表現範囲も別に確認します。

更新履歴:2026年11月4日、広告該当性、手続き・性能・監修表示の違いと、表現を原資料へ照合する具体例を整理して公開。 2026年11月5日、訂正・更新履歴の読み方への文脈リンクを追加。

根拠資料

参照した行政機関の原資料

薬機法上の広告規制と、比較表示に関する一般的な考え方を整理しています。個別広告の適法性を保証するものではありません。具体的な掲載可否に疑義がある場合は、製造販売業者の薬事担当者や所管行政機関に確認してください。資料確認日:。

  1. 医薬品等の広告規制について厚生労働省|2026年11月4日確認。薬機法第66条・第68条と現行の関連通知一覧を参照(新しいタブで開きます)
  2. 薬事法における医薬品等の広告の該当性について厚生省(厚生労働省掲載)|1998年9月29日・医薬監第148号。広告該当性の3要件。現行案内からの参照を確認(新しいタブで開きます)
  3. 医薬品等適正広告基準の改正について厚生労働省|2017年9月29日・薬生発0929第4号。第4の1、3、5、9、10:名称、性能・安全性、広告対象、他社誹謗、医薬関係者等の推せん(新しいタブで開きます)
  4. 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について厚生労働省|2017年9月29日・薬生監麻発0929第5号。別紙冒頭:媒体、全体構成、文脈などを総合して判断する考え方(新しいタブで開きます)
  5. インターネットによる医薬品等の広告の該当性に関する質疑応答集厚生労働省|2014年5月22日・薬食監麻発0522第9号。Q2・3・5:別ページの表示、ログイン、紹介サイトと誘導(新しいタブで開きます)
  6. 製造販売届に関する手続き/医療機器の届出についてPMDA|一般医療機器(クラスI)の製造販売届書。審査を行わない届出の説明は同サイト『医療機器の届出について』を併読(新しいタブで開きます)
  7. 医療機器の届出についてPMDA|PMDAを提出先とする届出の取扱い。届出を承認審査と混同しない(新しいタブで開きます)
  8. 比較広告消費者庁|景品表示法上の客観的実証・正確な引用・公正な比較。医療機器の薬機法上の広告制限を解除するものではない(新しいタブで開きます)
医療監修者

倉田 照久