まず結論
電子添文は、医療機器を適正に使用するために製造販売業者が提供する文書です。まず販売名・製造販売業者・対象の型式や仕様を手元の製品と照合し、改訂版を確認します。そのうえで警告・禁忌、使用目的、使用方法、併用条件、保管や点検の情報を読みます。特定の見出しだけで判断せず、文書全体の条件を合わせて確認することが基本です。
- 対象販売名・業者・型式
- 安全警告・禁忌と注意事項
- 使用条件用途・方法・組み合わせ
- 更新改訂年月・版数・変更点
最初に、手元の製品に対応する電子添文か確かめる
電子添文は、安全で適正な使用のために必要な情報を医療関係者へ伝える文書です。取扱説明書などが別にある場合は、電子添文と併せて確認します。製品の紹介ページやカタログだけで、使用条件の確認を済ませないようにします。記載要領の基本的な考え方(新しいタブ)
PMDAの医療機器情報検索(新しいタブ)や製造販売業者の公式案内から文書を確認できます。包装にある符号を対応アプリ等で読み、電子添文や関連文書へアクセスする仕組みもあります。表示できたことだけで照合完了とはせず、次の情報を確かめます。電子化の仕組み(新しいタブ)
包装のバーコードに含まれる情報と、読取り時に確認することは、医療機器のGS1コードもあわせて確認できます。
- 製品の対応:販売名と製造販売業者が一致するか。複数の型式・仕様が含まれる場合、どの記載が手元の製品に適用されるか。
- 文書の対応:承認・認証・届出番号等、対象を確認できる情報が包装や正式資料と対応しているか。
- 改訂版の対応:改訂年月や版数を確認し、保存済みの文書より新しい情報がないか。
電子添文は原則として承認・認証・届出の一品目ごとに作成されますが、複数の製品をまとめて記載する場合もあります。販売名が一致していても、文書内の型式・仕様の区別を読み飛ばさないことが大切です。検索結果がないことだけで未承認・未届出と断定せず、名称表記や対象を製造販売業者に確認します。
PMDAで販売名から文書を探し、見つからない場合に確認する手順は、PMDAでの情報検索もあわせて確認できます。
対象の照合に使う名称と番号の基本は、一般的名称と販売名の違い、承認・認証・届出の違いもあわせて確認できます。
見出しを手掛かりに、使用条件をつなげて読む
以下は確認したい情報を探すための目安です。全製品で同じ見出しが同じ位置に並ぶとは限りません。該当する項目が見当たらないときは、他の見出しや関連する説明も確認し、不明点を製造販売業者へ問い合わせます。各項目の記載内容(新しいタブ)
画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。
| 確認したいこと | 主な見出し・表示 | 読み取る観点 |
|---|---|---|
| 対象の特定 | 販売名、一般的名称、製造販売業者、番号等 | 手元の製品と文書の対象を照合する |
| 重大な危険と使用の制限 | 警告、禁忌・禁止 | 該当する条件と、してはならない使用・組み合わせ等を確認する |
| 構造や仕様 | 形状・構造及び原理等 | 構成品、材質、原理など、対象の型式に関係する説明を読む |
| 使用できる目的 | 使用目的又は効果 | 記載された用途とその範囲を確認する |
| 取扱いと組み合わせ | 使用方法等、使用上の注意、関連する注意事項 | 準備・使用・使用後の取扱い、併用機器や接続に関する条件を確認する |
| 保管と使用できる期間 | 保管方法及び有効期間等 | 保管条件、有効期間・使用の期限など、製品に記載された条件を読む |
| 点検や保守 | 保守・点検に係る事項 | 必要な点検・保守の内容、担当や参照する説明書を確認する |
例えば、使用目的が予定する用途に合うように見えても、それだけで使用可否は決まりません。警告・禁忌、対象となる仕様、併用条件、使用上の注意を合わせて読みます。接続できる外観や名称の一致だけを、適合性・互換性の根拠にしないでください。
製品紹介の性能表現を電子添文や正式資料と照合する際は、医療機器の広告表現もあわせて確認できます。

保管欄を実際の置き場所や包装状態と照合する観点は、医療機器の保管条件もあわせて確認できます。
有効期間の記載と包装の期限・ロット番号を照合する際は、使用期限・ロット・製造番号もあわせて確認できます。
改訂内容と、表示形式の違いを分けて確認する
保存したPDFは、保存時点の情報です。継続して使う製品でも、最新の電子添文と製造販売業者の改訂案内を確認します。改訂年月・版数だけでなく、何が変更されたか、対象となる製品や使用条件に関係するかを読みます。
PMDAは電子添文の様式変更に関するQ&Aで、画面表示とPDFでは項目名や並び順が異なる場合があると説明しています。使用方法に関係する注意が、別の見出しに整理されることもあります。以前と同じページ位置にないことを、注意事項が削除されたという意味に取り違えないようにします。PMDA Q&AのQA7・9(PDF・新しいタブ)
内容を変えずXML形式へ変更する場合には、文書の版数を繰り上げる必要がない取扱いも示されています。見た目の変更だけで内容が改訂されたと判断せず、文書の記載と公式の変更案内を照合してください。PMDA Q&AのQA5(PDF・新しいタブ)
実際の医療現場では、新規採用・使用前・改訂時に確認する
電子添文の情報を現場の判断につなげるには、製品と用途を具体的に照合します。以下は公的資料に基づく一般的な確認観点です。特定施設の診療経験や院内手順を示すものではありません。
- 新規採用時:対象の販売名・型式を特定し、使用目的、警告・禁忌、併用条件、保管や保守の条件を確認する。必要な取扱説明書も揃え、予定する運用との不一致があれば製造販売業者や施設の担当者へ確認する。
- 使用前:手元の製品に適用される最新版かを確認し、使用方法、注意事項、組み合わせる機器の条件、必要な点検などを照合する。個別患者への使用可否や選定は、担当する医療従事者が対象製品の情報と施設の手順に沿って判断する。
- 改訂時:変更された箇所と対象製品を確認し、安全情報や使用条件の変更がないかを読む。表示形式の変更と内容の変更を区別し、関係する資料・手順の取扱いを施設内で確認する。
不明な条件を推測して補ったり、別の製品の説明をそのまま当てはめたりしないことが基本です。本記事の確認表だけで使用の安全性や個別の組み合わせを保証することはできません。

関連する公的情報の読み方は医療機器の基礎:公的情報の確認から確認できます。
医療機器の定義と公式情報で確認する基本は、医療機器とはもあわせて確認できます。
電子添文についてよくある疑問
警告と禁忌・禁止だけを読めば十分ですか?
それだけでは十分ではありません。使用目的又は効果、使用方法等、使用上の注意、保管や点検なども確認します。警告欄の有無だけで安全性を判断せず、対象製品の文書全体と必要な取扱説明書を読みます。
同じ一般的名称の製品なら、電子添文を共用できますか?
名称が同じでも仕様や使用条件が異なることがあります。販売名、製造販売業者、対象の型式・仕様を照合し、手元の製品に適用される電子添文を確認してください。名称の一致は互換性の保証にはなりません。
保存してあるPDFを、最新版として使ってよいですか?
保存した時点の版であるため、その後の改訂を確認する必要があります。PMDAや製造販売業者の公式情報で改訂年月・版数・対象製品を照合します。表示形式だけの変更と、安全情報など内容の変更も区別します。
更新履歴:2026年10月26日、電子添文の見出しと対象製品・改訂版の照合観点を整理。2026年10月27日、原典を再確認して公開。2026年10月28日、PMDA検索方法への文脈リンクを追加。2026年10月29日、使用期限・ロット・製造番号の確認記事への文脈リンクを追加。2026年10月30日、GS1コードに関する文脈リンクを追加。2026年10月31日、保管条件の確認記事への文脈リンクを追加。2026年11月4日、広告表現と根拠の照合に関する文脈リンクを追加。
参照した公的資料
医療機器の電子添文の記載要領と、PMDAの電子化・様式変更に関する公開資料を確認しました。個別製品の使用可否や患者ごとの選定を判断する記事ではありません。資料確認日:。

