医療機器の基礎

医療機器の一般的名称と販売名の違い

医療機器の一般的名称・販売名・型式・品番・製品コードの役割を整理します。同じ呼び方でも製品や仕様が一致しない理由と、発注書・包装・電子添文を照合する際の確認観点を解説します。

一般的名称は機器の種類、販売名は正式な製品名、型式・品番は仕様の識別として読み分ける架空ラベルの生成概念図

まず結論

一般的名称は医療機器の種類を表す分類上の名称、販売名は承認・認証・届出に対応する製品の正式な名称です。個々の容量やサイズ等を特定するには、型式・品番や仕様まで照合します。同じ一般的名称でも、同一製品や互換品とは限りません。

  • 一般的名称種類・定義を確認
  • 販売名正式な製品名を確認
  • 型式・品番仕様との対応を確認
  • 照合する資料発注書・包装・電子添文
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一般的名称・販売名・型式を分けて読む

医療機器の資料には、機器の種類を示す名称と、製品を特定するための名称が並びます。「シリンジ」「チューブ」などの日常的な呼び方を、そのまま正式な販売名や型式と考えないことが出発点です。

画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。

医療機器を確認する名称・識別情報の違い
表示・項目主な役割照合するときの注意
一般的名称医療機器の種類を、定義とともに整理する名称同じ名称でもメーカーや仕様が異なる製品がある
販売名承認・認証・届出に対応する製品の正式な名称同じ販売名に複数の製品が含まれる場合がある
型式・品番対象のモデルや仕様をメーカー資料で識別する手掛かり呼び方や体系はメーカー・製品により異なる
製品コード等対象の商品や包装単位などを照合する識別情報メーカーのコード、商品コードなど、何のコードかを確かめる

PMDAの一般的名称検索では、名称に対応する定義・JMDNコード・クラスを確認できます。JMDNコードは分類に関するコードであり、メーカーの品番や個々の商品コードの代わりにはなりません。PMDAの一般的名称検索(新しいタブ)

型式・品番と仕様の対応は、対象メーカーの正式な一覧で確認します。例えば、メーカーの変更案内には、品名とは別にコード番号、容量、先端形状、包装単位、商品コードを示した表があります。これらをひとまとめに「名前」と扱うと、仕様や発注単位の違いを見落とす可能性があります。メーカーの表示変更案内(PDF・新しいタブ)

一般的名称は機器の種類、販売名は正式な製品名、型式・品番は仕様の識別として読み分ける架空ラベルの生成概念図
説明用に生成した架空ラベルです。実製品の表示や法定レイアウトを再現したものではなく、表示位置・項目・呼び方は製品や資料によって異なります。

医療機器の定義と、一般的名称に関わるクラス分類の基本は、医療機器とは、医療機器のクラスI〜IVとはもあわせて確認できます。

包装の名称と併せて読む期限・ロット・製造番号については、使用期限・ロット・製造番号もあわせて確認できます。

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包装の名前を、電子添文の対象と照合する

厚生労働省の記載要領では、電子添文の一般的名称と販売名は別の項目として扱われます。販売名や一般的名称等は、承認・認証・届出の内容と整合する必要があります。資料上の愛称や略称だけで同じ製品と判断せず、正式な名称を読みます。電子添文の記載要領(新しいタブ)・記載要領の細則(新しいタブ)

電子添文は原則として承認・認証・届出の一品目ごとに作成されますが、一品目に複数の製品が含まれることがあります。検索で販売名が一致しても、その文書のどの型式・仕様が手元の製品に当たるかまで確認します。名称だけで、容量・サイズ・接続条件や使用目的が同じだとは決められません。

名称と併せて確認する承認・認証・届出の種類と番号については、承認・認証・届出の違いもあわせて確認できます。

PMDAで販売名から文書を探し、見つからない場合に確認する手順は、PMDAでの情報検索もあわせて確認できます。

対象製品を照合した後の、使用目的・警告・使用方法などの読み方は、電子添文の読み方もあわせて確認できます。

検索結果が出た後も、対象製品を確かめる

PMDAの医療機器情報検索では、販売名や一般的名称などから電子添文を探せます。掲載されている品目が検索対象なので、結果がないことだけで医療機器への該当性や手続きの有無を断定しません。製造販売業者名、包装の表示、メーカーの公式案内も併せて確認します。PMDAの医療機器情報検索(新しいタブ)

名称や包装が変更された製品では、新旧の情報が併存することもあります。実際に、GS1コードから新旧の電子添文が表示され、使用する製品に対応した文書を選ぶよう案内したメーカー資料があります。コードを読み取ったことと、適切な電子添文を選んだことを区別します。これは当該変更時の例であり、すべての製品で同じ表示になるという意味ではありません。

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実際の医療現場では、発注書・包装・電子添文を突き合わせる

物品の発注・受領や院内採用の際には、呼び慣れた名前だけでなく、資料同士が同じ製品を指しているかを確認します。以下は公的資料とメーカー資料に基づく一般的な確認観点であり、特定施設の運用実績や院内手順を示すものではありません。

  1. 発注対象を整理する:発注書の名称に加え、メーカーの正式資料で販売名、型式・品番、必要な仕様と包装単位を確認する。発注書が略称の場合は、正式情報との対応を確かめる。
  2. 手元の包装を照合する:包装に示された名称・品番等と発注対象が一致するか、製造販売業者の表示も含めて読む。表示項目や位置は製品によって異なる。
  3. 対応する電子添文等を確認する:販売名・製造販売業者・対象の型式等を照合し、その製品に適用される使用目的又は効果、使用上の注意を確認する。変更案内があれば手元の製品との対応も確かめる。
  4. 不一致を推測で埋めない:名前が似ていても同一品・代替品とは判断せず、製造販売業者や施設の担当者へ確認する。

名称の照合は、製品を取り違えないための確認の一部です。一般的名称や販売名の一致だけで、特定患者への適合や他製品との互換性を判断することはできません。実際の取扱いは対象製品の正式資料と施設の手順に従います。

医療機器の包装と資料を照合する手元を表した生成イメージ
資料照合を表す生成イメージです。実在施設・製品・院内手順の写真ではありません。描かれた表示から実製品を特定することはできません。

制度と表示の関連知識は医療機器の基礎:定義・分類・制度から確認できます。

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名称の違いについてよくある疑問

一般的名称が同じなら、製品を置き換えられますか?

一般的名称が同じでも、仕様や使用条件が一致するとは限りません。販売名、型式・品番、使用目的、接続条件などを対象製品の公式資料で確認します。名称の一致だけでは互換性を保証できません。

販売名が分かれば、容量やサイズまで特定できますか?

販売名だけで個々の仕様を特定できるとは限りません。同じ販売名の中に複数の製品が含まれる場合があるため、型式・品番と必要な仕様をメーカーの正式資料で照合します。

JMDNコードと製品コードは同じものですか?

異なります。JMDNコードは一般的名称に対応する分類のコードです。メーカーの品番や商品を識別するコードとは分けて読み、どの種類のコードかを確認します。

PMDAの検索で見つからない製品は医療機器ではありませんか?

検索結果だけでは判断できません。PMDAの医療機器情報検索は、電子添文が掲載されている品目が検索対象です。検索語や名称表記を確認し、包装と製造販売業者の公式情報を照合してください。

更新履歴:2026年10月24日、一般的名称・販売名・型式・コードの役割と、資料の照合観点を公開。2026年10月25日、製造販売手続きの比較記事への文脈リンクを追加。2026年10月27日、電子添文の読み方への文脈リンクを追加。2026年10月28日、PMDA検索方法への文脈リンクを追加。2026年10月29日、使用期限・ロット・製造番号の確認記事への文脈リンクを追加。

根拠資料

参照した公的資料・メーカー資料

2026年10月24日に公開原典を確認しました。名称の読み分けを説明する記事であり、特定製品の適合性や使用可否を判断するものではありません。資料確認日:。

  1. 一般的名称検索PMDA|一般的名称・定義・JMDNコード・クラスを参照。確認時のデータ表示は2026年9月30日現在(新しいタブで開きます)
  2. 医療機器の電子化された添付文書の記載要領について厚生労働省|一般的名称と販売名の記載、一品目に複数製品が含まれる場合の取扱いを参照(新しいタブで開きます)
  3. 医療機器の添付文書の記載要領(細則)について厚生労働省|承認・認証・届出事項との整合と名称表示。令和3年通知で示された読替えと併せて参照(新しいタブで開きます)
  4. 医療機器情報検索PMDA|販売名・一般的名称等の検索項目と、電子添文掲載品目が検索対象であることを参照(新しいタブで開きます)
  5. テルモカテーテルチップシリンジの一般的名称追加に伴う電子添文改訂および包装表示変更のご案内テルモ株式会社|2024年1月の変更案内。品名・コード・仕様・包装単位の区別と、新旧の電子添文の照合例として参照。現在の販売状況を示す資料としては用いない(新しいタブで開きます)
医療監修者

倉田 照久